ダンスは無理にがっつり揃えなくてもいい
──9月リリースの“UP to ME”。こちらはアイナさん的にどんな曲になりましたか?
サウンドにEDMやダブステップの要素があって、BiSHにはこれまでなかった曲調ですね。でも、歌詞は「自分次第で道を開いていける」みたいな、BiSHがこれまでずっと歌ってきたような歌詞だったので、そこのギャップがおもしろいなと思いました。
──振り付けはどうですか?
正直、時間はかかりましたね。一回考えたやつを全部やめて、そのあとただ2日半ぐらい考え続けました。この曲のダンスの主役はリンリンです。後半で、リンリンがひとりだけ、みんなと全く違う踊りをセンターでぶちかますような振りを作ったんですよ。自由に彼女のイメージのまま踊ってもらったので、ライヴでやるのは楽しかったですね。
──この振り付けはどういうものをイメージしたんですか?
イメージとしては、リンリンは女王なんですけど、最初はみんなが彼女の言うことを聞いているんです。でも、徐々にみんなが言うことを聞かなくなってしまう。それで、リンリンはその苦しさから暴れるようになって、もがき続けてしまうみたいなニュアンスですね。結末は人によって捉え方が変わると思います。
──10月リリースの“悲しみよとまれ”のダンスは、アユニさんが主役ですね。
これはアユニ(アユニ・D)が踊っている画しか浮かばなかったですね。他のメンバーが踊っているのは、全然想像もつかなかった。だからほかの誰もいないところに、アユニだけにスポットライトが当たって、ひとりだけステージにいるようなものがいいかなと思いました。
──それから、どういうイメージで振りを作ったんですか?
悲しみに対して、周りの人たちが手を差し伸べるところをイメージしました。振りのなかで、アユニは心を閉ざしてしまうんですけど、それで周りの人も「もういいや」ってどこかに行っちゃうんですよ。そうすると、アユニは誰もいなくなったことで悲しくなってしまう。でも、実は周りの人はそっぽを向いているようで、顔は見ていたり、体の一部が寄り添っていたり、実はちゃんと気にしているんだよ、というストーリーをダンスで表現しました。アユニを主人公にしたけど、この曲のダンスは「悲しみを一人で抱えないで」とか「意外とあなたのことを見てるんだよ」という私からのメッセージですね。

──アイナさんはBiSHのダンスについて、どういう想いで踊っているんですか?
もちろん、BiSHとしての100パーセントを目指してパフォーマンスをするようにしています。でも、ダンスは無理にがっつり揃えなくてもいいのかなと思っているんです。誰かが間違えて覚えていても、私からは言わないんですよ。逆にそれで味が出てきたらいいなって思うし。もっと突き詰めればバチッと揃ったダンスもできるかもしれないけど、そこに縛られすぎないように意識しています。揃っていることだけを意識しちゃうと、個性を消してしまうことになると思うんですよ。揃えることってたまにでいいと思うんですよね。心が共鳴した瞬間にたまたま揃ったっていうのが良いと思う。まあ、見てる分にはちゃんと揃ってないと嫌なんですけどね(笑)。
──その感覚がBiSHをBiSHたるものにしているような気がしていますよ。
私自身が揃えるのが苦手なんですよ。アユニとかハシヤスメとかが「そこの振り違うよ」とか「ずれてるよ」って言ってくれるので、そこは他のメンバーに甘えてますね。
──最後に、いま、どんなことを考えて活動していますか?
正直、いまはBiSHが終わってからのことをなにも考えられないんですよ。やっぱり一回はじめたことを最後まで全うして終わらないと、次のことをはじめても何事もうまくいかないと思うんです。だから、いまはBiSHとしての人生をしっかり全うしたいですね。

編集 : 西田健
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LiVE iNFORMATiON
【FOR LiVE TOUR】
【公演日時】
■2022年11月17日(木) 愛知DIAMOND HALL
open/start 17:30/ 18:30
■2022年11月19日(土) 徳島club GRINDHOUSE
open/start 15:00/ 15:30
■2022年11月20日(日) 愛媛WStudioRED
open/start 14:30/ 15:00
■2022年11月22日(火) 栃木HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
open/start 18:00/ 18:30
■2022年11月30日(水) 京都KBSホール
open/start 17:30/ 18:30
■2022年12月2日(金) 福岡DRUM SON
open/start 12:30/ 13:00
■2022年12月2日(金) 福岡DRUM Be-1
open/start 18:00/ 19:00
■2022年12月3日(土) 山口 周南RISING HALL
open/start 17:30/ 18:00
■2022年12月8日(木) 千葉 柏 PALOOZA
open/start 11:30/ 12:00
■2022年12月8日(木) 茨城 水戸ライトハウス
open/start 18:00/ 18:30
■2022年12月10日(土) 福岡DRUM LOGOS
open/start 17:00/ 18:00
■2022年12月11日(日) 長崎DRUM Be-7
open/start 16:00/ 16:30
■2022年12月16日(金) 岩手KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
open/start 14:00/ 14:30
■2022年12月17日(土) 宮城LIVE HOUSE enn 2nd
open/start 12:30/ 13:00
■2022年12月17日(土) 宮城Rensa
open/start 18:00/ 19:00
■2022年12月24日(土) 東京LIVE HOUSE FEVER
open/start 11:30/ 12:00
■2022年12月24日(土) 東京heavysick ZERO
open/start 17:30/ 18:00
【チケット料金】
立ち位置指定¥3,800(税込)
【世界で一番綺麗なBiSH】
【公演日時】
2022年12月22日(木)
国立代々木競技場 第一体育館
open / start 17:30 / 18:30
【チケット料金】
通常チケット 指定席 ¥8,500(税込)
※未就学児童入場不可
※全て電子チケットとなります。
詳しくはこちら
https://www.bish.tokyo/news/
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・D からなる“楽器を持たないパンクバンド” BiSH。
2015年3月に結成。5月にインディーズデビュー。2016年5月avex traxよりメジャーデビュー。
以降、「オーケストラ」「プロミスザスター」「My landscape」「stereo future」等リリースを重ね、横浜アリーナや幕張メッセ展示場等でワンマンを開催し、ロックフェスにも多数出演。