“ぴょ”はモモカンが優勝だと思うんですよ
──良い話ですね。10月2日には、富士急ハイランド・コニファーフォレストで〈BiSH OUT of the BLUE〉が開催されましたね。
あの日のライヴは花火が嬉しかったですね。めちゃくちゃ綺麗だったんですよ。しかもメンバーみんなで見れたのが本当に幸せでした。最高の夏の思い出ですね。
──すごく良いライヴでしたよ。
野外のライヴだったので、私は6年前の野音でのライヴのことを思い出したんですよね。あのとき、“オーケストラ”という曲で感動してくれたお客さんは、いまの私たちの“オーケストラ”で感動してくれるのかなって思うんですよ。あの時にしか歌えなかったあの歌で多くの人が感動してくれたけど、じゃあ私たちは今なにで感動させられるんだろうとか、そんなことを考えていました。
2016年10月に日比谷野外音楽堂で開催された〈BiSH Less than SEX TOUR FINAL‘帝王切開’〉のライヴレポート
──コニファーフォレストのライヴでは、チッチさんが「はじめての野外のワンマン・ライヴで披露した“オーケストラ”が、BiSHをたくさんの人に出会わせてくれるきっかけになったと思います。」とMCで言っていたのが印象的でした。
あのときのチッチのMCは本当によかったですね。あれは私を泣かせにかかっていましたよ。聞きながら「うちらも、成長したんだな」と思いました。終わった後に花火があがって、それが完全に涙腺に来ましたね。ちょうど夜になる感じも相まってよかったです。
富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催された〈BiSH OUT of the BLUE〉のライヴレポート
──横浜アリーナで開催された〈TO THE END TO THE END〉はどうでしたか?
あっという間でしたね。本当に横アリは楽しさの極みでした。2018年に横アリに立った時は熱が出ていたから、万全な状態で立った記憶があんまりないんですよ。でも、今回はすっごく健康で、過去の嫌な記憶を打開できたような気がしました。『ジャニス』が終わってから、歌に関しては無双モードに入っていたんですよ。もう何でも挑戦したいみたいなテンションでした。「心から歌えばもうなんだっていいんだ!」みたいなモードに入っていて、その気持ちがあったから、ライヴは本当に楽しかったですね。

──いまはとにかく歌が絶好調なんですね。BiSHは現在、12ヶ月連続リリース企画の真っ最中です。アイナさんは毎回振り付けを作っていますが、実際大変じゃないですか?
振り付けは、もはや趣味みたいな感じなんですよ。だから、しんどい気持ちは正直ないですね。
──さすがですね。この12ヶ月連続リリースの楽曲のダンスには、一曲一曲に主役のメンバーがいるんですよね。
そうですね。せっかく12ヶ月連続シングルを出せるので、少しずつ違うことをやってみようかなと。清掃員も自分の推しがメインで踊っていたら嬉しいかなと思って、はじめました。

──8月にリリースされた“サヨナラサラバ”は、Takaさん(ONE OK ROCK)とKENTAさん(WANIMA)が楽曲を手掛けています。レコーディングはどうでしたか?
Takaさんのヴォーカルのディレクションが本当に的確でしたね。もはやボイトレでした。そのおかげで、声の出し方が広がった感じもあります。
──ダンスはどんなコンセプトで作ったんですか?
テーマは「女帝」ですね ひとりひとりがしっかり目立つように考えました。Dメロのところで、入れ代わり立ち代わりフォーメーションが変わるんですけど、チッチだけがずっとセンターにいるんですよ。そういう些細なところに女帝感をにじませています。でも、“サヨナラサラバ”のMVでいちばん女帝なのは、あっちゃん(ハシヤスメ・アツコ)だと思うんですよ。BiSHのMVのなかでいちばんかっこいいですね。
──12ヶ月連続リリースのなかでは、“ぴょ”のダンスが個人的にすごく好きなんです。
“ぴょ”は私も好きですね。振り入れの時に「お相撲さんみたいな感じで」って伝えたら、みんなが「………え?」ってなっちゃったんですよ(笑)。
──あの振り付けは本当に良いですよ。
“ぴょ”はモモカン(モモコグミカンパニー)が優勝だと思うんですよ。ああいうダンスをやらせたら、誰も勝てない。本当に天才ですよ。ダンスのなかにモモカンらしさを絶やさず残し続けるんですよね。あれは本当に真似できない才能ですね。