DJのときは、装備が全部取れたような状態
──ツアーファイナル2日後には、国立代々木競技場 第一体育館で〈AGESTOCK〉に出演しました。かなり広い会場で、花道もありましたが、どんなことを感じましたか。
mikina:やっぱり大きい会場はいいですね。普段のライブとは違うやり方ができることがすごく楽しくて。違う衣装を着ている気持ちというか、違う皮を着てライブできている感じがあって。やっぱりステージが大きくなると楽しいですね。
──花道を渡って中央ステージに行ったとき、ExWHYZのメンバーは円の形に5人で広がって客席を向いてパフォーマンスしていましたが、EMPiRE時代に幕張メッセで360度ステージを経験していることが活きているのかなと思いました。
mikina:確かに幕張ではじめて360度ステージをやったんですけど、ExWHYZの武道館公演でもセンターステージがあったので、その影響はあるかもしれないですね。そもそも、幕張をセンターをやるって決まったとき本当にやばかったんですよ。夜遅くまで、やばいやばい!とか言いながら練習して。初めてだったし、やり方を知ってるメンバーもいなかったから、手探りで。それを2回やってきたので、センターステージに対するプレッシャーとかはあまりなかったですね。でもセンターステージって、メンバーのことを見えていないお客さんはいないか、すごく考えちゃうんです。今、全員満足できてるかみたいな気持ちになっちゃう。そういうところはいつも気になりますね。
──そこまで考えてパフォーマンスしているんですね。
mikina:やっぱり、お客さんとしてはメンバーが揃っているところを見たいじゃないですか? でもセンターステージだと、どうしても全員にそれができないから。おっきい会場なので、中央のお客さんに近づけることはめっちゃいいけど、物理的に無理なことも出てくるというところで、いろいろ考えながらステージに立っていました。

──今回の個別インタビューで、mayuさんの取材の時に「完璧主義だと思うか」聞いたんですけど、そういう意味で言うとmikinaさんの考え方はは完璧主義的なものですか?
mikina:私も昨日mayuちゃんのインタビューを読んで、考えてみたんですけど、どうなんですかね? でも、理想は高いです。完璧主義ではないけど、やりたいことをなんでもやりたいタイプ。やれること全部やれたら無敵になれるって考えるタイプかも。もし、できなかった時、できなかったくそ!みたいに自分を責めることはないんですけど、できるならば全部できた方が嬉しいですね。
──DJに関しても、やりたいことだから継続してやりたいものということなんですよね。
mikina:やりたいものの1つだし、DJをやることで、めっちゃ勉強になるんですよ。1人でステージに立つのって、グループで立つのと全然違って。6人で立ったとき、他のメンバーに格好いいところを完全に任せている瞬間がライブの中でいっぱいあって。DJのときは、装備が全部取れたような状態で、ステージに立つことが初心者みたいな気持ちになるんですよ。自分1人でライブの抑揚を作っていかなきゃいけない勉強だったり、煽りもすごく勉強になる。人が音楽を聴いて、どういう気持ちの波になるのか、めっちゃ想像しなきゃいけない。そういうことがDJでできたら、ExWHYZのライブでもいい感じに繋がるんじゃないかなって。いまはまだ、技術的な方に集中力が引っ張られて、そこまで気を遣えていない。でもすごく楽しみに待ってくれてる人たちが、思っているよりたくさんいたんですよ。だから頑張らなきゃと思って。とはいえ、まだまだ、恥ずかしいですね。DJ赤ちゃんみたい感じ(笑)。恥ずかしがっている部分は見せてはいけないと思って全力でやるようにしています。
──今度のツアーでも、DJプレイはする予定なんですよね
mikina:ライブ中に余計なことを考えないように、ちゃんと習い始めていて。目の前のお客さんと同じ空気を感じることに全集中を注ぎたいから練習しています。ExWHYZのライブでは、それを何年もやってきたから、ほとんど無意識で振りをできたりするんですよ。もちろん意識的にやらなきゃいけない部分もあるんですけど。DJでも早くそうなりたいですね。早くライブと同じ領域に行きたい。

──V.Aアルバム『Dress to Kill』は、既存のExWHYZのリミックス楽曲が収録されています。リミックスされた自分たちの楽曲に関しては、どのように感じられているんでしょう?
mikina:私リミックス楽曲が大好きなんです。作ってくださるクリエイターさんの色がめっちゃわかるし、そのクリエイターさんの今までやってきたことが全部伝わってくる。本当に尊敬するし、私たちの楽曲がフィットしてるのもすごい。違和感がないように作ってくださっているというか、意図を感じ取れるから、めっちゃ愛!だなと思って。ExWHYZやマスターを考えてリミックスしてくださってる感じ。そういうことを感じられて嬉しいし、単純に音としてもすごい好きです。とても尖ったアルバムですけど、さっき話したみたいに私たちのライブ力を高めないといけないなとも思います。
──リミックス楽曲を披露するにあたって、歌い方だったりダンスの見せ方は、どういう風に考えて臨んでいるんでしょう?
mikina:オリジナルとリミックスで振り付けが違うし、憑依させるキャラも全然違ってくるんですよね。「4:00 a.m」のリミックスの振り付けを私が担当したんですけど、オリジナルの方では切ない表現を引き出したり、それが見える振りにしたんですけど、リミックスの方はBPMが上がって2STEPっぽくなったので、吹っ切れてる感みたいな部分を出したくて。あまりねっとりした表現はせず、さっぱりしているけど顔は切ないっていう融合を楽しめるようにしました。音が変わったり、振り付けが変わったりすると、見え方も全然変わってくるから、色々と変化させたいなって思いながら作っています。
