自分にとって忘れられない時間になっている
——いちばん影響を受けた対バン相手は誰でしたか?
KINCHAN:いちばんを決めるとなると、難しいですね。でもファイナルのHUSKING BEEさんは特に印象に残っています。どの対バン相手の方も音源を聴いてライヴにも行かせていただいたんですけど、HUSKING BEEさんは特にライヴがすごかったです。
——HUSKING BEEのライヴ力はすごいですよね。
KINCHAN:はい。ライヴを見ていて心にグッとくるときがあると、自然と拳が上がっていたんです。「こういう風にPIGGSのライヴを観たいと思ってもらえるにはどうすればいいんだろう」って観ながら考えていました。対バンツアーが終わってからもいろんなライヴを観に行きましたね。
——最近はどなたのライヴを見に行ったんですか?
KINCHAN:JUBEEさんとAge FactoryさんとThe BONEZさんの対バンをこの前見に行きました。The BONEZさんは対バンで一番手なのに、ワンマンのファイナルみたいなすごさを感じました。これからもいろんな人のライヴを観て、色々感じたいです。それで何かを持ち帰りたいですね。

——7月17日には最新EP『1ミリでも』がリリースされます。EP全体を通して、どういう仕上がりになりましたか?
KINCHAN:「みんなと一緒に頑張るぜ! 」というEPですね。PIGGSは「みんなと」というのがキーワードだと思っているんです。やっぱり「#まじ無理ゲーチャレンジ」のときとかは、「みんなと」という気持ちが薄まっていた気がします。でもPIGGSは「みんなと」じゃないと意味がないから、みんなとひとつずつやっていこうと強く思っていますね。
——先行リリースされた“ラフレシア”ですが、こちらはどういう曲になりましたか?
KINCHAN:これはまさに「ここからやっていくぞ! 」という気持ちと絆が見える曲だなと思います。ハートフルな歌なんですけど、儚さも感じるし、だからこそいまを頑張ろうと思える歌です。
—— “ラフレシア”のMVでは涙を見せていましたが、なぜ泣いてしまったんでしょうか?
KINCHAN:私もわからなかったんですけど、言葉がなくても通じる、絆のようなものを感じました。それが嬉しくて泣いてしまったんだと思います。これもメンバーと一緒にいすぎるとわからなくなってくるんですよ。でも同じ気持ちをもっていることを確認できて嬉しかったです。このMVとかキャンプのときは、メンバーの大切さを再確認しますね。振り返ったときに自分にとって忘れられない時間になっているんだなと感じます。
——「ラフレシア」というモチーフに対しては、どういうイメージをもちましたか?
KINCHAN:私はこのモチーフについて「綺麗な花は咲かせなくていいから、あなた自身のまんまデカい花を咲かせろ」という解釈をしました。ラフレシアって長い年月をかけて咲くけどすぐ枯れそうだし、匂いもきつそうじゃないですか。“ワイルドサイドを歩け”にも「最短距離の答えなんて浅い」という歌詞があるんですけど、それと似ていると思います。私は綺麗じゃなくてもいいから、PIGGSにしか咲かせられない花がいいじゃんって思います。
——“八日目の朝”はどういう楽曲に仕上がりましたか?
KINCHAN:生命力を感じる歌だなと思います。
——なるほど。好きな歌詞はありますか?
KINCHAN:「私は私だ」とか「震わせろDIRTY羽根」という歌詞が好きですね。汚い羽根でもいいからどうにかして震わせていこうという気持ちが好きですね。この曲は、セミといまのPIGGSを重ねているんですけど、私たちもたぶん永遠にアイドルをやれるわけじゃないですし。だからこそ「何を証し 何を叫ぶか」を自分自身にも問いました。
——KINCHAN自身のアイドルとしてのプランや展望はありますか?
KINCHAN:“八日目の朝”の歌詞を見たときに色々考えちゃったんですよ。考えた結果、色々あるけど「いまを一生懸命やろう」って思いました。私、アイドルに向いてるか向いてないかで言ったら、多分向いてないんですよ。頭も固いし、バカ真面目な部分があったり、歌やダンスも得意なわけでもない。だから“八日目の朝”を聴いたときにすごく沁みたんですよ。なにクソで羽根をふるわせてやるぞって思いました。
——KINCHANは「自分はアイドルに向いてない」と思うんですね。
KINCHAN:いやでも、そんなに深刻な感じではなくて、明るく「向いてないんだろうな」って思います。それに、向いていないのが悪いとも思ってないです。そういう人がいてもいい。そういう人がやるからこそ伝わるものもあるし、私はそういう歌を歌いたいですね。でもそう思えたのはPIGGSに入ってからなんですよ。メンバーがいいところを言ってくれたり、いろんな音楽を聴いたりして、「それでもいいじゃん」って思えるようになりましたね。
