
このコーナーは日々新しい才能を排出し続け、今最も勢いのあるライヴ・ハウス新宿Motionのスタッフが、“NEXT POP”をキーワードに次世代のミュージック・シーンを担うアーティストを、どこよりも早く紹介するコーナー。今回は、新宿のライヴ・ハウスにもかかわらず、関西を中心に活動するバンドを紹介。音楽のみならず、映像、物語を駆使した独特の表現が特徴的なkaninaに、Motionとのつながりやその自由な表現方法についてインタビューをしました。
Vol.6 kanina
yukino
story telling voice, piano, programing, drawing, movie creation
kentaro amano
guitar, noise, synthesizer
クラシカルで美しい世界観から生み出されたひとつの「物語」を音と歌で奏でる、他に類を見ない新しい手法を提示。バイオリンやピアノを取り入れ、従来のバンド・サウンドにとらわれない自由な表現方法で独自の音楽を模索し、具現化している。[a short story]と名付けられたひとつのちいさな物語。少年の旅が、今はじまる。
- website : http://web.kanina.jp/

INTERVIEW
—インフルエンザが大流行していますが、Motionではどうですか?
タクト : ライヴ・ハウス界隈でも流行していて、本当に怖いです。当日にインフルエンザで出演できないって連絡がバンドからありますからね。
—何か対策はしていますか?
タクト : 消毒液を置いたりとか、色々としているので、大分落ち着いてきているとおもいます。やっぱり体があっての音楽ですからね。
—ですね。皆さん体には気をつけてください。ということでタクトさんから今回のゲストを紹介してください。
タクト : 大阪からやってきましたkaninaです。元々37th rabbit's wordという前身バンドがあって、ベースが抜けて、今の体制になったんですよ。前身バンドの時によく僕のバンドabout tessとタイバンしていたんです。それがきっかけで、Motionにもよく来てくれるようになりました。僕のイメージは、東京的な音を出すバンド。なので、すごくブッキングしやすいんですね。大阪での自主イベントでは、東京のや新潟のurbansoleというバンドを呼んで頑張っています。音はインストの要素も強いけれど、歌も映像もあり盛りだくさんのバンドです。
—映像もメンバーが作っているのですか?
yukino : そうですね。全部自分たちで作っています。kaninaの楽曲は一つの話になっていて、それを30分の中に納めているんです。だから一回のライヴで一曲しか演奏しない。映像はその話に関係していて、歌詞がその内容になっているんです。たまに7分くらいの楽曲を演奏するんですけど、メインは話ありきの楽曲。

—もともと映像に関する知識があったのでしょうか?
yukino : いえ。全然映像の知識はなくて、とりあえずやっちゃおうと(笑)。
タクト : 前身バンドは音的にも全然違う感じでした。今は2人ですけど、音的にはオーケストラのような広がりを持っていますね。
yukino : バンドって、ドラム、ベース、ギター、ボーカルみたいな暗黙の常識があると思うんです。でも、そういうことを考えず、とにかく好きな楽器を入れて演奏しようと始めました。
—どのような映像を使っているのでしょうか?
yukino : ファンタジックな手描きの映像を使っています。音ありきのVJとは違って、お話ありきで音と映像があるんです。
—楽曲のイメージは北欧の寒い地方という印象がしました。
kentaro amano : バンド名はアイスランド語で「うさぎ」という意味を持っています。元々東欧の音楽が好きで、アイスランドにも憧れがありました。強く意識しているわけではないんですけど、広い場所を想像できる音楽になればいいかなと思っています。
—話を30分で完結させる事に苦労しませんでしたか?
yukino : 最近は欲求が出てきて、ちょっとづつ曲が長くなってきました。果たして今後ライヴで出来るのかという課題があります(笑)。
タクト : 見る度にアレンジも変わって、良くなってきていますよね。
yukino : ライヴ一本が大体30分で、お客さんにはその時間どっぷりと自分たちの世界に入ってほしいんですよ。だから曲間で区切ったりとかMCもなしでライヴをしています。

—音源はどのような形で制作しているのでしょうか?
yukino : 今年の7月に発売したんですけど、それも一つのお話で、一枚のアルバムになっています。1曲24分のものを、各章にわけて3分割しています。ブックレットも絵本調にして20ページになっています。
—日本のバンドというよりは、北欧のバンドに近い音楽性ですよね。
yukino : 海外で活動してみたいという気持ちがあるので、英詩にしているんです。どこでも演奏できるように。
タクト : ただkaninaは機材が引っ越しぐらい多いから大変ですよね(笑)。
kentaro amano : 本当に引っ越し。だからいつも頭の中では、海外に行く時はこれとこれを持って行こうと決めているんです(笑)。
タクト : エフェクター・ボードだけで畳一枚分くらいあるからね。
yukino : 実際彼のマンションの管理人さんに、「引っ越しですか?」って言われたらしいですからね(笑)。
—大阪と東京で反応の違いを感じる事はありますか?
yukino : 結構違いますね。自分たちの音楽ジャンルは、関東の方ではシーンが出来上がっていると思うんですけど、関西はまだまだ発展途上という気がします。自分たちがまだ繋がりきれていないだけなのかもしれないけど、これからもっと開拓していきたいなと思っています。
タクト : 東京で演奏すると、すごくお客さんが入るんですよ。東京のお客さんもこういう音を求めているんだなと思いますね。kaninaと競演したいと言うバンドも多いんですよ。
yukino : 自分たちのやっていることは、音楽だけじゃないたくさん要素あるので、映像や絵画関係の人に興味を持ってもらえる事が多いんです。なので、もっとそういう人たちと色々出来たらいいなと思っています。大阪ではアートのイベントも開催しているんですよ。
—関西でシンパシーを感じるバンドはいますか?
yukino : Lemons Chairとかは関西のバンドで、よく一緒に共演します、彼らとは関西で土台を作るにはもう少しがんばらないといけないなと常々話をしています。
—アートのイベントとはどんなイベントなんですか?
yukino : アート全般をクロスオーバーするイベントをしたいと思っています。それで今回、11月28日と29日にMotionで2daysのイベントをするんです。
kentaro amano : 28日と29日でセットを変えて、コンセプトも変えてイベントを行います。28日はアコースティック寄りの編成にして、そこにハープとクラリネットとフルートを入れて演奏します。29日はバンド編成で大きな音でライヴします。だから全く違う楽しみ方が出来ると思いますよ。
—まだ結成して2年という事ですが、今後も色々な事を仕掛けていくつもりですか?
yukino : そうですね。やりたい事はたくさんあります。後ろに管楽器を入れてライヴをしたり。オーケストラを入れた楽曲も作ってみたいです。介護施設でもアコースティックライブをしたこともあったり、やれることは今後もどんどんやっていきたいです。

kanina Live Shcedule
kanina+Motion presents [overture] kanina a short story release tour tokyo final
- 11/28(土)@新宿Motion
adv/door 2000/2300
※通し券¥3000
w/ 百景 / deadly king / 上坂拓海 / mokyow / 虚弱。
- 11/29(日)@新宿Motion
adv/door 2000/2300
※通し券¥3000
w / urbansole / about tess / number0 / Presence of Soul / cuol
Motionとは?
新宿Motionは新宿歌舞伎町に2005年10月にOPENしたキャパ120人のライヴ・ハウス。良い歌、良い演奏、良いライヴというのはジャンルを超えて伝わるものだという思いで、多くのバンドが「どうすればもっと良くなるだろう? 」と思う気持ちを一緒になって考えています。伝える事、伝わる事の難しさ、楽しさ。その伝達力の強さが強ければ強い程「POP」なんだという思いから、OPEN一周年記念コンピのタイトルは「NEXT POP」にしました。その「NEXT POP」という言葉がそのまま新宿Motionのカラーになっていると思います。
- website : http://Motion-web.jp/
- staff blog : http://MotionMotion.blog63.fc2.com/
BACK NUMBER