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INTERVIEW : BIBI(PIGGS)

インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
アイドルとファンがこんな関係になれるなんて
──PIGGSは2025年に入ってすぐに、共同生活の解消を発表しましたね。
BIBI : やっと共同生活を楽しめるようになってきたくらいのタイミングだったので、そこを離れるのは不安がありました。ピグスハウスで暮らしていたときは、部屋でダンスの練習をしていてわからなくなったらメンバーにその場で聞いていたんです。そういう環境のありがたみに気づきましたね。いまは自立して生きていくためにも、1人暮らしをしています。
──いまのところは問題なく1人暮らしできてますか?
BIBI : そうですね。寂しい気持ちはちょっとはありますけど、お母さんに手伝ってもらいながら、頑張って暮らしています。
──学生生活の方は順調ですか?
BIBI : そうですね。PIGGSと並行してやっていくのは大変だけど、なんとかやっています。
──大学ではどんなことを学んでいるんですか?
BIBI : いまはアイドルをテーマにした論文を書いています。私はアイドルのステージを通じて生まれる人間関係について、ある仮説を考えたんです。もともと「アイドル」という言葉は「偶像」という意味だけど、その偶像としての側面が、実はアイドルという存在と表裏一体になってきているように私は感じています。お客さんも、単に「ファンとアイドル」という与えられた関係性を楽しむのではなく、その裏にある人間らしさも含めて好きになっているのではないか、と。だから、関係性としては「ファンとアイドル」かもしれないけれど、特典会のような交流の場があることによって、もしかすると「一人の人間同士」としてのつながりが生まれているんじゃないか。そんな仮説を立てて論文を書いています。
──すごくおもしろいテーマですね。
BIBI : アイドルにもさまざまなタイプがいると思うんです。キャラクターを演じている人もいれば、飾らずにそのままの姿でいる人もいる。でも、ファンはどちらの側面も含めて好きになっているんじゃないかなと思っています。結論としては、現代のアイドルはもはや「偶像」ではなく、ひとりの人間として確立された存在になっているのではないかと考えています。

──なるほど。実際にBIBIさんがアイドル業界で活動していて、驚いたことはありますか?
BIBI : 私はもともと、モーニング娘。の加護ちゃんや辻ちゃんのような、テレビで観るアイドルが大好きでした。だから、アイドルの楽しみ方といえば、映像や写真を通して楽しむものだと思っていたんです。実際にアイドルをやるまでは、ファンのことをあまり知らなかったし、対面で会ったこともありませんでした。でも自分がPIGGSに入って、ぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)と関わるようになって、「思っていたよりも、ファンとの距離が良い意味で近いな」と感じました。それまでの私は、アイドルとファンの関係はもっと遠いものだと思っていたので、1対1で関わることの大切さを実感しましたし、「ファンの人ってこんなに親しく接してくれるんだ!」と驚きました。アイドルとファンがこんな関係になれるなんて、まさに衝撃でしたね。
──良い話ですね。ぶーちゃんズに対してはどんな想いを抱いているんですか?
BIBI : 特典会で「最近落ち込んじゃってるんだよね」と話してくれた人がいて、そういうことでもいいから、素直に話してほしいなと。「会いにきたのに元気なくてごめんね」って言ってくれる人もいるけど、私は顔を見られるだけで嬉しいし、たとえ会えなくても、生きていてくれるだけでいい、と思います。自分がアイドルのファンだったときは、「ステージではキラキラしてるけど、嫌になっちゃう日もあるのかな?」って想像していたんです。でも、いざ自分がアイドルになってみると、ファンのことを忘れる瞬間なんてないんですよね。アイドルって、思っていた以上に何倍もファン一人ひとりのことを覚えているし、その人たちのことが好きなんだなって感じています。
