FUNKISTの「ファミリー」が集う場所 = 「Pride of Lions」
──12月23日から〈Pride of Lionsツアー〉が始まります。野音ライヴも含めてこのタイトルはどんな思いを込めて付けたのでしょうか。
染谷:Pride of Lionsって「ライオンの群れ」という意味なんです。FUNKISTファンの呼称が「ファミリー」なんですけど、野音ライヴのタイトルはファミリーが集う場所を一言で表現できるようなものにしたかったんです。FUNKISTはずっとライオンをロゴをにしていて、ライオンは狩りをするときに相手がウサギだろうと大きい動物だろうと、自分の狩りの仕方を変えないんですよね。そんな誇り高い姿勢からPride of Lions=ライオンの群れになったと。それってどんなライヴでも全力でやるFUNKISTと重なるなと思って。あとはファミリーたちが集う「ライオンの群れ」っていいなと思って、このタイトルにしました。
──今回、サポート・メンバーでフルートの世古美月さんが参加しますね。
染谷:今回のツアーは3ブロックに分けていて、最初が2000年から2007年で次が2008年から2012年、最後が2013年から2025年なんです。最初の2ブロックはフルートの陽子ちゃん(春日井陽子)と一緒に奏でていた時期なので世古美月さんに参加してもらって、3ブロック目を挟んで最後に野音でまた全員集結するっていう構想になっています。
──宮田さんの奥さまでフルーティストの春日井陽子さんが2011年に他界された時期のブロックに、世古さんが参加されるということですけど、宮田さんは今回どのように感じていらっしゃいますか。
宮田:Ne-ze(二人目のジャイアンのサポート・ギタリスト)に「ひょっとしたらこの人かもしれない」ということで世古さんを紹介してもらって、自分もすごくしっくりきたんですよね。今までは不思議とフルートは必要ないと思ってた部分があったんです。自分たちが25年続けたからこその出会いだったのかなと思いました。

染谷:今回、世古さんにお会いしたら「もし陽子さんのフルートと出会ってなかったら、私はきっとフルーティストになってない」っておっしゃっていて。世古さんは中学生のときにたまたま僕らが主題歌を担当したアニメを観ていて(『FAIRY TAIL』主題歌「Snow fairy」)、「フルートって吹奏楽だけじゃないんだ」と衝撃を受けたそうなんです。海外ではラテン音楽だったりボサノバとかフルートの活躍の場がたくさんあるけど、日本だとバンドにフルートがいるっていうパターンはほぼないですよね。陽子ちゃんは「フルートはロック・バンドもできる」ということを証明した人だったんです。陽子ちゃんがともしていた灯を中学生ながら受け取ってくれた子が今、プロのフルーティストになって活動しているんです。今回の話を世古さんにしたときに、「中学生の私に、いつかこの人のフルートをあなたが吹くんだよって伝えたい」と泣きながら喜んでくれました。
──そうなんですね。
染谷:あと、これは余談なんですけど、“Snow fairy”のBメロに「月と太陽のハイタッチ 忘れ物はないですか?」っていう歌詞があるんです。陽子ちゃんって太陽の「陽」が名前に入っていて、世古美月さんって「月」が名前に入っているんですよね。この曲を作ったときにはそんなこと考えもしないんですけど、“太陽と月がハイタッチして忘れ物を取り戻しに行く”っていう歌詞をそのときに書いてたっていうのが、なんかすげえなあ、と思って。
──すごい話。いま鳥肌が立ちました。
ヨシロウ:そうですよね!? 僕もこの話何回聞いても鳥肌が立ちます。
──では最後に、ツアーに向けての意気込みをそれぞれお願いします。
染谷:20周年ツアーがコロナで全部飛んだ中で、今回の25周年は今まで自分たちがやったことのないことにチャレンジしたかったんです。自分たちができることの範囲からもう一歩外に飛び出して、日比谷野音という今までの自分たち史上最大キャパの会場でやることを決めました。25年経ってもチャレンジするFUNKISTの姿を見せたいし、チャレンジできるバンドでありたい。それをみんなで成しえて最後にファンの人たちと最高の景色が見たくて今日も戦っています。ツアーでいろんな年代のFUNKISTの楽曲と出会ってもらって、それが最後に集結する野音にみんなで集まれたらなと思ってます。応援よろしくお願いします!
宮田:今回は全年代の曲をやるので、きっとどこかであなたが出会ったFUNKISTがいるはずです。当時の思い出とそこから続けてきたFUNKISTを重ねてもらって、また新しい出会いを見つけてもらいたいです。そしてファイナルの野音は僕たちは途中の通過点にしか感じてないんです。野音の後にも楽しい光景があるんじゃないかとワクワクしていますので、またみんなでいろんな景色を見れたらと思ってます。ぜひ来てください!
ヨシロウ:25周年のツアーということで、お世話になった人みんなに感謝を伝えるのと同時に、「僕らは変わってないよ」というのを自信を持って出したいと思ってます。あと、以前加藤登紀子さんがライヴで、「私、来年50周年だから」と言っていて、「道は長いぞ」と思ったんですよ。僕たちもおじいさんになってもバンドをやろうと思っているし、そのときはこだわらずに杖をついてステージに立ちます(笑)。そう考えると、今がいちばん若くてフレッシュな状態なので、最高のライヴ、最高のツアーにしたいと思ってます。よろしくお願いします!

編集 : 石川幸穂
16年の軌跡を辿る“47climax”
ライヴ情報

FUNKIST 25th Pride of Lions tour 2024 2000-2025
【2000-2007】
2024年12月23日(月) LosAngeles Club東高円寺 SOLD OUT
2024年12月28日(土) 上越アース
2024年12月29日(日) 金沢AZ
2025年1月11日(土) 沖縄Cyber-Box
2025年1月12日(日) 沖縄Cyber-Box
2025年1月18日(土) 福島OUTLINE
2025年1月25日(土) 錦糸町rebirth
2025年1月26日(日) 横浜BAYSIS
2025年1月31日(金) 大阪WAXX
2025年2月1日(土) 京都GATTACA
【2008-2012】
2025年2月28日(金) 札幌PLANT
2025年3月1日(土) 富良野AJITO
2025年3月2日(日) 旭川CASINO★DRIVE
2025年3月9日(日) 横浜BuzzFront
2025年3月14日(金) 名古屋CLUB UPSET
2025年3月15日(土) 岐阜M'S LIVE HALL
2025年3月16日(日) 島田市川根文化センター チャリム21
2025年3月19日(水) 神戸MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2025年3月20日(木・祝) 熊本B.9
2025年3月22日(土) 長崎DRUM Be-7
【2013-2025】
2025年3月23日(日) 小倉FUSE
2025年3月30日(日) 八王子Match Vox
2025年4月4日(金) 新潟CLUB RIVERST
2025年4月5日(土) 長野INDIA live the SKY
2025年4月11日(金) 大阪Pangea
2025年4月18日(金) 埼玉新都心HEAVEN'S ROCK
2025年4月19日(土) 水戸SONIC
2025年4月25日(金) 山形MUSIC昭和session
2025年4月26日(土) 石巻BLUE RESISTANCE
2025年4月27日(日) 仙台space zero
2025年4月29日(火・祝) 秋田LOUD AFFECTION
FUNKIST 25th ワンマン・ライヴ日比谷野音 Pride of Lions
2025年5月24日(土) 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
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PROFILE:FUNKIST
ボーカル染谷西郷、ギター宮田泰治、ギターヨシロウにより、バンドの原型が 2000年に結成。2001年から本格的な活動を開始。 47全都道府県でのライヴを達成し、日本国内はもちろん、南アフリカ、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど海外も含む 年間100本 を超えるライブで、世界所狭しと駆け回る生粋のライブバンド。 『俺たちが鳴らせば世界が踊る』を合言葉にジャンルレスな音楽で世界全てを抱きしめる。
アニメ「FAIRY TAIL」主題歌やゲーム「テイルズシリーズ」のテーマ曲など多くのタイアップを手がけ、現在は「V-ROAD」がJリーグV・ファーレン長崎や甲子園高校野球の応援チャントとして使用され全国的な広がりを見せている。
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