“エソア”がものすごくたくさんの人に届いて聴いてもらえるように
──いまも埼玉県の話が出ましたが、昨年、静養のために実家に戻るという報告をSNSでされていましたよね。そこでの自然に囲まれた写真などもアップしていましたが、そういった環境の変化は制作への向き合い方に変化をもたらしたりもしていますか?
ももすももす:ありましたね。いままでは誰とも話さない時間が多すぎて、ものすごく気持ちが内にこもりがちだったんです。でもいまは親とか妹と話したり怒られたりするので(笑)、気持ちに波ができましたね。
──今回収録される3曲は、作った時期で言うとどのあたりの制作だったんですか?
ももすももす:“宵待花”がいちばん古い曲です。“エソア”がタイアップが決まって書き下ろした曲で、“犬飼いたい”は実家に戻ってから作った曲ですね。
──それを聞くと、作った場所の違いも楽曲に反映されているかもしれないと感じますね。
ももすももす:そうですね。“犬飼いたい”はもしかしたら東京に行ったら作れなかったかもしれないです。

──“犬飼いたい”はももすももすさんの気持ちをそのまま歌に?
ももすももす:そうです。ずっと犬飼いたいなと思っているんですよ。散歩しているときに犬を散歩してる人とすれ違って、そのまま「犬飼いたい」というメロディが出てきて、歌いながら私も散歩してました。それで1回ちゃんと曲にして持っていこうかなと思って持っていったら結構評判が良くて。今回収録されることになったっていう感じです。
──サウンド面ではアコースティックでありながら、弦楽器が入っているのが上品な印象でした。
ももすももす:これはプロデューサーと相談してこの形になりました。いままですごくおとなしい曲って作ったことがなかったんですけど、自分の声質って多分おとなしい曲も合うと思っていたんです。楽しい制作でしたね。
──今回かなり振り幅のある3曲が揃ったと思います。ご自身としては作っているときのモードも大きな違いがありましたか?
ももすももす:“エソア”は必死に作っていて、“犬飼いたい”はふざけて作ってました(笑)。 “エソア”はアニメ主題歌なので、やっぱり原作のファンの方も聴くわけじゃないですか。なので絶対に気に入ってもらえるような曲を作らないといけないなと思って。でも“犬飼いたい”は多分ももすももすのファンがいちばん初めに聴くから、力を抜いて作ったらみんなも喜んでくれるのかなと思って作りました。
──2020年にアルバム『彗星吟遊』をリリースしてから3年程経ちましたが、その期間で制作の変化などはありましたか?
ももすももす:今回初めて“エソア”で生ドラムを入れたんですよ。前回のアルバムは全部自分でドラムを打ち込んでいたんです。今回は自分以外の要素を取り入れるようになったので、それはすごくいい刺激になりました。
──実際に楽器を他の人の手に委ねてみて、どうでした?
ももすももす:やっぱり生音はいいなと思います。ドラムを打ち込むのが趣味で、曲を作るときもいつもドラムから打ち込むんですけど、ドラムはドラマーに叩いてもらった方がいいのかもしれないとちょっとだけ思いましたね。
──これからは生ドラムを使う機会も増えるかもしれないですね。
ももすももす:そうですね。使い分けていこうかなと思います。生ドラムを経て、自分の打ち込み方も変わると思うので。
──ももすももすさんはSyrup16gなどをルーツに挙げられていると思いますが、最近特に影響を受けている音楽や出会った音楽はありますか?
ももすももす:最近もSyrup16gのアルバムを聴いています。あとPeople In The Boxが大好きなので、よく聴いていますね。新しく聴くようになったというと、girl in redという海外のアーティストさんがいるんですけど、その人がすごく好きで最近よく聞いています。
──そうなんですね。2023年の目標や、やってみたいことはありますか?
ももすももす:犬飼いたいです(笑)。
──そうですよね(笑)。以前は「猫飼いたい」とおっしゃっていたのがいまは達成されているわけですし、犬を飼うのもすぐに達成されてしまいそうな気もしますが……。
ももすももす:でも「飼えるわけないでしょう」ってすごく怒られているんですよね(笑)。多分無理なので、音楽の方で活躍したいなと思います。
──音楽面の目標はありますか?
ももすももす:とりあえず“エソア”がものすごくたくさんの人に届いて聴いてもらえるようにしたいです。“エソア”が今後の自分の音楽生活に繋がっていけばいいなと思っています。

編集:西田健・梶野有希
3曲入りのニュー・シングル!
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PROFILE : ももすももす
1995年9月11日生まれ。埼玉県川越市出身。シンガーソングライター。
2015年よりロックバンド、メランコリック写楽の作詞・作曲を手掛け、ボーカル&ギター“ももす”として活動。
2018年より“ももすももす”としてソロ活動をスタートし、
2019年2月にファーストシングル「木馬」でメジャーデビュー。
2020年3月、ファーストアルバム「彗星吟遊」をリリース。
2023年2月15日、ソニー・ミュージックレーベルズ移籍第一弾シングル「エソア」リリース決定。
中毒性の高いハイトーンボイスと純文学の影響を受けたユニークな言葉遣い、
そして絵画のように奥深く、予測不能なメロディーの渦を宅録から世界へ発信中。
猫を飼っているが、猫アレルギーである。
■公式ホームページ:https://www.sonymusic.co.jp/artist/momosu/
■公式Twitter:https://twitter.com/momo_shara