女の子にも好きになってもらえるような「ガーリッシュ・ロック」
——アイドル・グループのボイトレを行うことで、アヤさん自身、刺激を受けることもありましたか?
アヤ:ありますね。それこそあのグループのみんなには感謝しているんです。彼女たちはすごくまっすぐなんですよ。私も外野からアイドル業界を見る立場になって、すごく絶望してしまうときがあるのですが、みんなを見ていて、「グループってやっぱりいいな」ってポジティヴに思えるようになりましたし、頑張ってるみんなを見て勝手に背中を押してもらってる気持ちになっていました。この前、初期メンバーの子が卒業したのですが、卒業ライヴのときに、「貴方もいた6人に救われて、グループをもう1回やろうと思えたんだよ」ってめちゃくちゃ長文の激重の手紙を送ったんです(笑)。
——良い関係ですね。
アヤ:彼女の卒業ライヴが本当に素晴らしかったんです。自分の卒業ライヴなのに、グループへの愛の方が強くて。主役である自分よりも、グループが良く見えるようにライヴを考えていて。とにかくグループへの愛がひしひし伝わったライヴだったんです。そういう子ってアイドルのなかでもかなり珍しいじゃないですか。そこにすごく感動して、ちょっと喰らいました。(笑)
——アイドルといえば、アヤさんが所属していたBiSのメンバーも各方面で頑張っています。
アヤ:先輩方や一緒に活動していた同期の子の、いまもグループ活動を頑張っている姿は、ずっと見ていました。私からしたら、挑戦し続けている姿は本当にみんなカッコいいなって。失敗しているところですら、カッコよかった。そしてそういう姿を見て、勝手にまた背中を押されていたんです。もし、同期や先輩がいなかったら、もう一度LUCYとしてやろうと思わなかったかもしれないです。
——この前の旧BiSの再結成ライヴ(2024年7月8日に歌舞伎町シネシティ広場で開催されたフリーライブ〈You’ve been cheated〉)もカッコよかったですよね。
アヤ:すごすぎましたね。旧BiSの皆さんのライヴを初めて見て、沢山感じたことがありました。もちろん、曲やパフォーマンスはすごくカッコよかったんですが、めちゃくちゃハートフルなライブだったんですよ。それがかなり衝撃で、自分もLUCYとして頑張ろうと改めて思えました。見ることができて、本当に良かったです。

——そして、今回新たにアヤさんはLUCYとしてグループ活動をスタートさせます。プロデューサーであるRIKA MIDUKIさんとは、どのように出会ったんですか?
アヤ:元々は、今回ご一緒させていただくことになった会社の別の方からご連絡をいただいたんですけど、当初はソロ・アーティストとして一緒になにかやりませんかという話だったんです。その方が個人的にBiS時代から曲を聴いてくださっていて、私の歌をいちばんくらいに昔から好きでいてくれて、その会社が新たにアーティストプロデュースを始めるとのことで私が候補に上がった、というのが始まりでした。
RIKA MIDUKI(以下、RIKA):それからお話をさせていただいたんです。話を聞いていくうちに、「グループ活動にも興味がある」とおっしゃっていたので、じゃあグループを一緒にやりましょうということになりました。
——LUCYは、どういうものをコンセプトにしているんですか?
アヤ:コンセプトとしては、かっこ良さもありつつ、女の子にも好きになってもらえるような「ガーリッシュ・ロック」です。リカさんとお会いしたときに、LUCYのビジュアルとかコンセプトを提案してもらったんですけど、本当に完璧でした。全部具現化してくださったので何も言うことなかったです。
RIKA:アヤちゃんがいたBiSやWACKのグループが、いまのアイドルのロックの金字塔になっていると思うんですけど、私は学生の頃に憧れたロック・プリンセスみたいな、女の子が生き様を真似したくなるアイコンが好きなんです。例えば、矢沢あいさんの『NANA』とか、アヴリル(・ラヴィーン)とかTommy heavenly6みたいな。だから今回LUCYのコンセプトとして、「ガーリッシュ・ロック」というものを提案させてもらいました。
——ロックという音楽についてはどういう思いがありますか?
アヤ:ありがたいことに、ソロ活動をしている中でも沢山の方から「ロックを歌ってほしい」という声をずっといただいていたんですよ。今回グループとしての活動ということもあり、原点回帰というか、パワーアップしたロックを皆さんに届けていきたいです。
