INTERVIEW : 幾田りら、あの

映画『デデデデ』のW主演を務めた幾田りらとあの。ともにアーティストとして活動し、いまの日本のポップ・アイコンとしても大きな存在となっているふたりだ。表現する世界観や活動スタイルは異なるが、この映画『デデデデ』を通じ、大きく共鳴しあったというふたり。映画の話はもちろん、主題歌に込めた思いについても語ってもらった。
インタビュー・文 : 西田健
撮影: 興梠真穂
全てのピースがはまった気がします
——『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(通称『デデデデ』)の後章が公開されました。前章から、おふたりはW主演を務められ、主題歌も話題を呼びましたが、実際に反響はいかがでしたか?
幾田りら(以下、幾田):浅野いにおさんの原作はファンも多くいる中で、小山門出の声としてみんなに受け入れてもらえるかが不安で。楽曲の方もそうですけど、全身全霊で臨んだ分すごくドキドキしていたんですが、いい反響をもらえて率直によかったなと思いました。
——安堵の気持ちがあったんですね。いい反響というと具体的に?
幾田:原作ファンの方にとっては、ずっと読んできたものに声が当てられたときに、そこに違和感がないかどうかとか、「門出の声ってこれか!」ってなっているかどうかの感想がもらえて。みんなの中で門出の声がスッと入ってきたんだったらすごく嬉しかったなと思います。
あの:声優初挑戦だったので、原作ファンの方も多少不安だったと思うんですけど、実際に観られた方たちから、「おんたん(中川凰蘭)と門出がこの2人じゃないとダメだった」とか、「2人が声優に選ばれた意味がわかった」という声を多くいただいたので、そこで僕もようやく安心できました。


——そして『デデデデ』後章も公開されましたが、実際完成したものを観て、感想はいかがでしたか?
幾田:どこまで言っていいかわからないんですけど、映画は原作とは違うオリジナルエンディングだったので、最初に観たときは「こうなっていくんだ......」と思いました。改めて門出とおんたんの日常がすごく愛おしくなりましたし、自分の歌が後章の中で初めて流れて、全てのピースがはまってるようで本当によかったなと。声も当ててるし、歌も歌っているし、結末もどうなるかわからなかった中で、最後に全てのピースがはまった気がします。この作品に携われたことがよかったなと思いましたね。
あの:とんでもないものができたなと。コロナ禍も経て日本や世界の状況がガラッと変わっている中で、このタイミングで自分と幾田りらさんがやれたのはすごく意味があると思っています。幾田さんが「全てのピースがはまった」って言っていましたけど、本当にそうで。計算していないのに、計算され尽くしているかのように全てがつながっていて、運命的だと思ったし達成感もありました。
