真剣にバンドをやればやるほど、やりきれなくなっていく
──"六畳にて"は、少年あああああさんがソロの頃にリリースした楽曲で、満を持してバンドで再録されました。
少年あああああ:終活クラブを結成するきっかけの曲ですね。コロナ禍に入ってひとりで配信をはじめて、その頃にCLUB RIVERSTという新潟のライヴハウスのバータイムによく行っていて。それでRIVERSTの小林さんにこの曲を聴いてもらったら、気に入ってくれただけでなく「バンドにしたほうがいいよ」と言ってくれたんです。その言葉をきっかけにバンドを組むことを決めて、「じゃあKIZUNA RECORDS(※小林氏が手掛けるインディーズ・レーベル)で面倒を見てくださいね!?」って(笑)。
石栗:だから僕らとしても、小林さんがはじめて少年から"六畳にて"を聴いたときの感情をリスペクトしたかったんです。それもあって、原曲に準拠したアレンジで再録したんですよね。
少年あああああ:そういう曲をメジャー1作目で再録するのは、すごく大きな意味と価値があるなと思います。VAPにも本当にありがとう……! の気持ちですね。
──"六畳にて"の頃といまのご自身に、変化は感じますか?
少年あああああ:常に変わり続けていると同時に、根本はなにも変わってないですね。いまもあのときと同じ6畳の部屋で曲を書いてますし、このバンドで音楽をやり切るという思いもなにも変わってない。だから自分で言うのも変だけど、この曲にはすごくいまも共感します。
──ではこの曲には、少年あああああさんの変わらない感覚や思考が詰まっているんですね。
少年あああああ:そうですね。「2000年代のJ-ROCKみたいな曲を書きたい」と思って書いた曲だったし……やっぱりあの時代の音楽は僕の青春なんです。思い出はいいことも悪いことも含めて最高だし宝だし永遠だから、大切にしていきたくて。
──"めぐる"も思い出がモチーフになっているのかなと思いました。終活クラブの季節をテーマにしたミドル・ナンバーは、ぬくもりと寂しさが同居した曲が多い印象があります。
少年あああああ:その瞬間はあたたかいものって、過去になるとすごく寂しくなるじゃないですか。そういうものを歌いたいんです。"めぐる"は夢の話と現実であったこととかがごっちゃになっているんですけど、それを感じたときの気持ちを純度高く残せたなと思います。
イシダヒロキ:彼がいちばん書きたいのは多分"めぐる"や過去曲の"タイトル未定"シリーズ、"絵画を書く"みたいな曲だと思うので、僕らとしても彼がいちばん歌いたいであろうことをちゃんと表現できるよう頑張ろうというスタンスです。彼がやりたいことをやらせてあげたいんですよね。
ファイヤー・バード:少年はバラードで思い出を歌うことが多くて、ライヴでそれを歌う少年の姿を後ろから見ていると、心臓がすっごい痛くなってくるんです。この声と歌詞をいかにいい状態でお客さんに届けるか……というのを大事にしていますね。
少年あああああ:ほんとみんな、歌の感情に合わせてダイナミクスをしっかりつけてくれるので、わかってくれてるなあ……って。ほんと友達と一緒にバンドを組んで良かったなあ。テンの言うとおり、バラードでは自分の過去を思い出しながら書くので、すごく自分自身がくっきりするような感覚があるんです。"めぐる"は特にそれを実感していて、いい歌詞が書けたな……と思いますね。
──メジャー1作目として出すに相応しい作品ができましたね。
イシダヒロキ:今作を完成させて、あらためてまだまだ自分たちには伸びしろがあるなと確信して。まだ使っていない引き出しもたくさんあるし、可能性も広がったし、まだまだいろんなことができるといううれしさでいっぱいです。
羽茂さん:ヒロちゃん(イシダ)と同じく新たな可能性を見出せましたし、今作でやったことが自分たちのレベルアップにつながって、もっといいものを作っていけるという手ごたえがありますね。だからこそ今作がいろんな人に届いてほしいし、ここからの終活クラブも観てほしいです。
──「音楽を終わらせるための音楽」どころか、全然終わる様子がないですね。
少年あああああ:そうなんですよ。なぜか真剣にバンドをやればやるほど、やりきれなくなっていくんです。最近の悩み(笑)。それもこれも、本当にいい音源ができたからだよなあ……。終活クラブのメジャー1作目として、最も美しいかたちとして作れました。でもせっかくメジャー・デビューしたんだから、ここからどんどんメジャーを楽しみたいんですよね。次回作からはいろいろ試して、売れる魂はちゃんと売っていきたいです(笑)。
──(笑)。メジャーでないとできないこと、たくさんありますものね。
少年あああああ:でっかいチャンスもたくさんありますよね。いまのままでいいならインディーズにいればいいし、自分たちの可能性を試せるチャンスに乗らない手はないなと思います。ただ安売りはしたくないので、「いくらで買いますか? 」というスタンスで魂を売っていきます(笑)。終活クラブは大いにメジャーを楽しんでいくので、お客さんも一緒に楽しんでほしいです。
──5月30日からはバンド史上最大規模のツアー〈全国終活化計画〉もスタートします。
少年あああああ:大いに僕たちらしく楽しんで、各地でライヴをしたいと思っています。なかなか遠征が厳しいお客さんたちがご自身の地元で待っていてくれているので、そんな人たちに会いに行けるのは本当にうれしくて。だから僕らももっとでっかくなって、47都道府県ツアーやれるようになりたい!
ファイヤー・バード:最高やん!
少年あああああ:頑張んなきゃね! 今回のツアーはそのでっかい第1歩だね。
終活クラブ メンバーの㊙︎プロフィールをご紹介
少年あああああ

特技:文章を書くこと
最近はまってること:ハリーポッター、ホラー映画、ネットラジオ(ゆるいやつ)
好きな食べ物:そうめん、ポテトサラダ、かつ丼、コロッケ
嫌いな食べ物:ししとう、にんにく
長所:ヘラヘラしてる所(時に短所)
短所:寝るのが下手、起きるのも下手
イシダヒロキ(Ba)

特技:コーンポタージュのコーン残さず食べれます、バレーボール、剣道
最近はまってること:ベイブレードX、ゲーム全般
好きな食べ物:カレーライス、生クリーム、にんにく
嫌いな食べ物:つぶあん、チンゲン菜
長所:怒らない
短所:怒れない
ファイヤー・バード(Dr)

特技:お昼寝2分で寝れる(のび太は超えれず…)、くちばし伸びる
最近はまってること:バナナと牛乳一緒に飲む
好きな食べ物:グミ、梨
嫌いな食べ物:ハンバーグ寿司
長所:すぐ寝れる
短所:夜は基本眠たい
石栗(Gt)

特技:エレキギター
最近はまってること:調味料集め
好きな食べ物:自分がつくる麻婆豆腐
嫌いな食べ物:たまねぎ
長所:ビジュが良い
羽茂さん(Key)

特技:野球(もうできないかも)、お酒飲むこと
最近はまってること:ドラマ見てます(あぶない刑事、太平記、天と地)、 ゲームしてます(ペルソナ、アーマードコア)
好きな食べ物:ナタデココ
嫌いな食べ物:さざえ、、、
長所:価値観狂ってるとこ
短所:コミュ障、、、 失くしもの多々
編集:梶野有希
終活クラブのメジャー・ファーストEP
ライヴ情報
終活クラブ Major 1st EP「終活新布教盤」Release Tour 2024
【全国終活化計画】
05月30日(木) 下北沢SHELTER
06月08日(土) 横浜F.A.D
06月09日(日) 前橋DYVER
06月21日(金) 豊橋club KNOT
06月22日(土) 静岡UMBER
06月23日(日) 松本ALECX
07月27日(土) 富山SOULPOWER
07月28日(日) 岡山CRAZYMAMA 2nd ROOM
07月30日(火) 福岡Queblick
07月31日(水) 広島ALMIGHTY
08月02日(金) 京都GROWLY
08月03日(土) 金沢vanvan V4
08月09日(金) 仙台FLYING SON
08月15日(木) 神戸 太陽と虎
08月16日(金) 高松TOONICE
08月17日(土) 大阪Pangea
08月18日(日) 名古屋CLUB UPSET
08月25日(日) 渋谷Milkyway
08月31日(土) 新潟CLUB RIVERST
終活クラブの他作品はこちら
PROFILE:終活クラブ
さぁ、こっちにおいで。終活クラブの世界へ連れてってあげるよ。
メンバーは、少年あああああ、石栗、イシダヒロキ、羽茂さん、ファイヤー・バード。2020年8月「音楽を終わらせる為の音楽」をはじめる為、少年あああああ(Vo/Gt)を中心に同志のメンバーが集結して終活クラブを結成。新潟を拠点に全国区で活動中。不思議なバンド名やポップなキャラクター等、他者の目を惹くキャッチーさを武器としつつ、少々ひねくれながらも歌詞に絶対的な拘りを持った日本語ロックバンド。
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