「好き」を見つけてもらって、教えてほしい
── “Circulation” みたいにループっぽい曲もあるし、“After the midnight” や “I'm sure” はすごくポップですよね。
マヤ : 特に「ポップなのをやろう」って思ったことはなくて、ただ好きな曲を作ってるだけなんですけど、それこそ前回のEPのときにSpotifyの再生回数を見てたら “kids2” が一番再生されたのかな。
サチ : そう。“kids2” だけがめちゃめちゃいろんなプレイリストに入るっていう、うちら的には不思議な現象があったんです。MVでもないのに。
マヤ : めっちゃポップな曲として作ったわけでもないし、おもしろいな~と思ってました。
サチ : 今回の12曲もそれぞれ違うし、“Ideals” とかめっちゃポップ・パンクの要素が強い曲もあって、わたしはポップ・パンク大好きだから推し曲のひとつです(笑)。
マヤ : どの曲が人気になるんだろうね。
サチ ダービーしたいね。
マヤ : わたしは “Mother bear” がいちばんお気に入りなんです。MVにしたかったくらい。
──マヤさんの推しは “Mother bear” だとして、サチさんは?
サチ : えー、この流れだと “Ideals” になってしまうかなと思います(笑)。
マヤ : もっとたくさんの国の人に聴いてもらえるようになったら、国ごとにどの曲が流行るのかとかも見てみたいですね。
──「海外でバズりたい」っておっしゃっていますもんね。
マヤ : そうですね。バズで終わりたくはないけど(笑)。

──海外のリスナーからの反響はどうですか?
マヤ : タイの人が多いよね。
サチ : 友達がいることも関係あるかもしれないですけど。
マヤ : タイ語の通知がくる、ときどき。
サチ : タイの人がカタカナで「THEティバ」ってタトゥー入れた写真をインスタでメンションしてくれて、「やば」ってなりました。他人の体にバンド名刻まれてる!って。
マヤ : 真っ赤なインクだったよね。気合がすごい(笑)。うれしい。
──日本のバンドはけっこうタイでツアーしていますよね。
マヤ : アツいらしいですね。インディー・ロックとかシューゲイズとか。
サチ : Bearwearもフェスに出てたし、うちらも行けたらいいなって話があったんですよ。コロナでダメになったんですけど。
──カナダじゃなきゃイヤなわけではないんですね(笑)。
サチ : いろんな国をグルグルしたいです。
マヤ : こないだライヴのお客さんにカナダの方がいて、「カナダ出身なんですか?」って言われて「あれはウソで……」って言ったら「あぁ。僕カナダ人です」って言われて、ついに出会ってしまったって。「(ヨコス)カナダ出身」とかにしようかな(笑)。
──キャンプ・コープやスタークローラーの前座を務めたこともあるわけだし、海外進出したいですね。
サチ : ペイヴメントが来たら前座やりたいです!
マヤ : 前回のスプリットは「ペイヴメント!ペイヴメント!ペイヴメント!」って思いながら作りました。音はすっからかんなのにメロディ・センスえぐいじゃないですか。歌はヘタだから「メロディのよさがヘタな歌で際立つことってあるんだ!」って。不器用そうなところが好きです。
──20年以上前にペイヴメントのライヴを見たんですが、演奏はヘタなんだけど突進力というかエネルギーがすごくて、最終的に説得されて驚いた記憶があります。
マヤ : かっこいい! 説得力のあるライヴっていいですよね。キャンプ・コープのライヴを見たときにそれ思った。
サチ : たしかに。
マヤ : ベースとかやばいじゃん。歌いベースみたいな。
サチ : それぞれがそれぞれ勝手にやってる感じで。
マヤ : なのにでっかい塊がボンって来てる。すごい!
サチ : 普通(リズムやチューニングが)ズレてると「気持ち悪」みたいになるけど、キャンプ・コープはそれぞれ勝手にやってるのにズレてるって感じないんだよね。
マヤ : みんなが「わたしを見て!」みたいな感じでやってるしね(笑)。いいなー。
──だだっ広い土地をずーっと車でツアーして回ったりしているからなんですかね。ティバもしてみたいでしょう。
マヤ : したーい。アメリカ横断したいです。でっかいヴァンを借りて入口にシャラシャラの玉のれんみたいなのつけて、お香とか焚いて、フリンジのジャケット着てグラサンかけて、ライヴの5分前に着いて演奏して帰るみたいな。
──『あの頃、ペニー・レインと』みたい。夢は海外ツアーですか?
マヤ : はい! あとすっごく大きなステージでライヴをしたいです。
サチ : コーチェラとか出たいね。配信見ながら「ここにティバいてもおかしくないな」って思いました。「カナダ出身」って言ってもらってもいいから(笑)。
──シンパシーを抱いているバンドはいますか?
マヤ: Bearwearがオーストラリアの森林火災のときにBandcampでチャリティ配信をしたのはアツいなって思いました。わたしも1000円で買ったし。そうやって、ちゃんと生活してるんだよ、つながってるんだよってことを姿勢として示せるバンドは好きですね。公の場で声高に主張しなくてもいいと思うんですけど、根底にそういう思いを持ちながら活動してる人はいいなって思います。
──僕からはこんなところですが、おふたりからこの機会に言っておきたいことはありますか?
マヤ : とにかく聴いてほしいですね。あと、どの曲が好きか教えてほしい。
サチ : 好みはそれぞれ違うと思うから、「好き」を見つけてもらって、教えてほしい。
マヤ : あんまり好きくないバンドでも、アルバム聴いて「この曲はいいな」とか思ってそこから好きになることあるじゃん。そういう感じで一回全部聴いてほしい。CDも買ってほしいな。
サチ : ジャケットも中身もめっちゃかわいいもんね。
マヤ : 昔の映画で使われてた手法で描いたものらしいんですよ。なんていうのか忘れちゃったんですけど(笑)。カツワタハルナさんっていう友達が描いてくれました。

編集:梶野有希
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PROFILE : THEティバ
Vo./Gt.明智マヤ、Dr.サチによる、バンド。前身バンドの解散を機に2018年に結成。カナダ出身という設定で活動中。ファースト・EP『we are the tiva–EP』を2019年3月にリリースし、関西ツアーとレコ発企画を下北沢THREEで開催した。同年3900組の応募の中から「出れんの:interrobang:サマソニ:interrobang:2019」に選出されSUMMER SONIC 2019に出演。 伸びやかなボーカルとパワフルな演奏で、みんなをハッピーにするキュートガール!
■公式Twitter:https://twitter.com/thetiva_band
■bandcamp:https://thetiva.bandcamp.com/