これまででいちばん「おおっ!」って自分のなかで響いた
──ありがとうございます。2021年6月8日にはダブルAサイドEP『碧い鏡 / It's Show Time!』がリリースされます。制作はいつごろからスタートしたんでしょうか?
西脇 : 3月中旬には“It’s Show Time!”のMVを撮っていたので、動きはじめたのは3月くらいからかな。
夏芽 : EPには“ワンダーランド”と“Sleeping Beauty”のリミックスも含まれてるんですけど、リミックス版の振りをまたイチから変えて入れ直して、レッスンしていましたね。

──え!? リミックス版になると、元の曲と振りが違うんですか?
夏芽 : そうなんですよ。振りが2パターンあるんです。混乱して、たまに間違えちゃうので、ちゃんと本番前に確認してます。(笑)。
──大変ですね。今回、CD版は“碧い鏡”をイメージしたTYPE-BLUEと“It’s Show Time!”をイメージしたTYPE-REDの2種類があります。ジャケットと曲順が違っていますよね。
藤井 : 私は、TYPE-REDの曲順が好きなんです。ライヴの時に、1曲目の“Ready to Change”のSEから“It’s Show Time!”をやるとき、お客さんの反応が良いんですよ。「サンダルテレフォンの世界観を見せつけるぞ!」という感じがありますね。
西脇 : TYPE-REDの曲順が朝盛り上がっていく感じだとしたら、TYPE-BLUEの方は仕事終わりの、帰り道に聴く感じの流れのイメージですね。曲順が違うと、聴くときの感情も変わってくるんじゃないかなって思います。

──なるほど。では、“碧い鏡”の話から聞かせてください。この曲をはじめて聴いたとき、みなさんどのように感じられたんでしょうか?
西脇 : “碧い鏡”は、私たちの曲のなかでいちばんテンポが早いんですけど、もう直感的に好きだなって思いました。ダンスも、どういうふうになってくんだろうと思ってワクワクしました。
藤井 : 私は王道のアイドル曲より、大人っぽいかっこいい感じの曲が好きなので、とても嬉しかったです。毎回曲をいただくたびに、「わっ! 今回もめっちゃいいな! 」って思うんですけど、“碧い鏡”はこれまででいちばん「おおっ!」って自分のなかで響きました。
小町 : 最初に聴いたときは、正直あんまり好きな感じではなかったんですけど、歌詞の意味をしっかり理解したり曲を聴き込んでいるうちに、めちゃめちゃ好きな曲になりました。いまでは、ちばさんの曲でいちばん好きです。
夏芽 : これまで前向きで明るい感じの楽曲が多かったんですけど、前作の“SYSTEMATIC”から大人っぽい路線を挑戦するようになったんです。“SYSTEMATIC”は恋愛の曲だったんですけど、今回はじめて自分自身に向き合うような大人っぽい曲をもらって、歌詞にもすごく共感して「この気持ちをちゃんと伝えたい」って思いましたね。
──歌詞も強い言葉が並んでいますよね。みなさん好きな部分はありますか?
藤井 : 全体的に「自分を好きになれない」みたいな歌詞が、結構自分に刺さるとこがあって、もう全部好きですね(笑)。
小町 : 私は「どうしても自分だけを愛せない」っていうところが好きですね。サビのラストっていうこともあって、かなり響いています。
夏芽 : 「ラストの先は読めないから」の部分が好きです。最初に聴いたときに「ラストの先」ってなんだろうって思っていたんです。「ラスト」って終わりじゃないですか。なにかが終わったら、またなにかがはじまる。でも、そのはじまりは読めないからこそ、そこまで変に考えずに思い切り前に進んでいっていいのかなって私は解釈しています。
西脇 : 「人と比べたって仕方ないのに 消えていく自分らしさにむなしくなる」という部分があって。こういうお仕事してると、人と比べちゃうことって多いんですけど、人と比べたって、自分らしさが本当に薄れていくだけだなっていうのを、歌詞を見て改めて実感しました。自分らしさを大事にしたいと思わされる歌詞ですね。
──MVもクールでかっこいいですよね。撮影はどんな感じで進んだんですか?
西脇 : ダンスのシーンは、廃工場のスタジオで撮りました。MVに出てくるトンネルはそれぞれ別々のところで撮ったんですよ。歌詞が自分の殻に閉じこもっているので、今回イメージとしてトンネルなのかなと思って。最後の方にまいちゃんと皆が合流するところは、自分の殻を破った感じなんだと解釈しています。
小町 : トンネルで歩いてるときに、前から撮ったバージョンと後ろから撮ったバージョンがあって、どっちになるんだろうと思ったら、後ろ向きでみんなで歩いてるところが使われていました。振り返ったりはするんですけど基本顔は写ってなくて、パーツだけが映ったりしていて、私はそこに監督さんのこだわりを感じました(笑)。
藤井 : トンネルのシーンは何回も撮ったんですけど、私が歩くのが下手すぎて(笑)。私が合流するのが最後だったんですけど、それがうまく入れてなかったらしくて、もう全員に笑われて(笑)。まいちゃんが先頭を歩いて、ナツが入って朱音が入って、みんなめっちゃ速く歩いちゃうんで、私もめっちゃ速く歩かなきゃ追いつけなくて、なんかすごく変だった(笑)。でも、めっちゃキメキメのとこが使われてた(笑)。
西脇 : ダンスシーンは床を濡らして撮ってたんですけど、実は鏡をイメージしているんです。ファンの人は気づいてくれるのかわかんないんですけど、そういうところまで隠れてるからたっぷり見てほしいなって思います。
夏芽 : あ! そうだったの!? いま知りました(笑)。
西脇 : いろいろ考察してもらって、まだ自分たちが気づいてないなにかもありそうなので、しっかり見て欲しいですね(笑)。
