実は結構アドリブなんですよ
──岩崎さんは、アルバムの7曲目に収録されている、オオサカ・ディビジョンとしての楽曲“縁 -ENISHI-”にも参加されています。この曲は、これまでにない切り口のレゲエ・チューンですね。
最初にデモを聴かせていただいたときは「お、こういうのもきたんや」ってワクワクしました。テンポはゆっくりですけど、ソウルフルでハートにガツンとくる感じがあっていいですね。
──楽曲の雰囲気もこれまでとは一味違いますが、難しかった部分はありますか?
歌い方やリズムの取り方もそうなんですけど、今回簓で出したことない声の出し方に挑戦したんですよ。レコーディングのときは、「ここまでやって簓っぽく聞こえんのかな?」「ちゃんと簓として成立しているかな?」って思いながらやっていたんですよね。正直不安もあったんですけど、収録終わって、録ってすぐのものを聴いてみたら、「めちゃくちゃええやん。ちゃんと簓やん」って思えたんですよ。そこで、新しい扉が開いたというか。簓としてのキャラクターがひとつ広がった感じがしましたし、自分自身も簓に対して自信が出てきましたね。完成して、他のメンバー分も聴いてみたら、盧笙も盧笙でしたし、零もちゃんと零でした。ここでやっぱオオサカ・ディビジョンとしても、また一個ステージが進みましたね。
──オオサカはコミカルなイメージがあったんですけど、今回の楽曲はまた違った一面を見せていますよね。
アルバムならではの楽曲ですね。簓のパートは「ちょっと自分を振り返って、過去はこうだったな、でもそこは振り切って前に進む」みたいな感じなんですよね。自分の積み重ねてきた過去これまでのことが全部、次につながって未来の自分の力になっていく。だから、歌っていてすごく気持ちがいいんですよね。
──初回限定のDisc2収録されている“なにわ☆パラダイ酒”は、逆にすごくオオサカっぽい楽曲ですね。
こっちはほんまに大阪らしく、どんちゃん騒ぎで、「さあ、大阪飲み歩き大会!」みたいな曲ですね。韻の踏み方もおもろいし、カウントダウンみたいなやつが入っていたり、酒の名前でどんどんと繋いでいくみたいなのも楽しい。どついたれ本舗を結成して、その結成記念飲み会で、酒を酌み交わして、どんどん上がっていくみたいな感じですね。
──この曲は梅田サイファーのKZさん、KBDさん、KOPERUさんが楽曲の制作を手掛けられています。
僕、梅田サイファーさんの“梅田ナイトフィーバー’19”という曲がめっちゃ好きなんですよ。だから、今回曲を書いていただけるって聞いて、ほんまに嬉しかったですね。歌詞もそれぞれの性格をちゃんと表してるんですよ。他のディビジョンとの関係性もそうですし。しかも、それを韻に落とし込んでいくっていうのもすごいし、遊び心もある。そういうところを含め、梅田サイファーさんはさすがやなと思います。
──実際に歌ってみてどうですか?
前、ライヴで披露したんですけど、盧笙がどんどん酔っ払っていく演技を、河西(河西健吾)さんがやられているんですけど、それがとにかく良いんですよ。オオサカの曲って途中で普通に台詞が入ったり漫才やったりするんで、ライヴでは、そこをいかにおもしろくしようかみたいなことを考えてますね。
──そこもライヴの見どころですね。そういう出番前の打ち合わせはいつもされるんですか?
打ち合わせはあんまりしないんですよね。舞台上で、「そうきたか?じゃあ、こっちはこうやってみよか?」って、実は結構アドリブなんですよ。
──まさに即興のフリースタイル! ちなみに、アルバムのなかでご自身が歌われている曲以外で、気になる曲はありますか。
やっぱりイケブクロの曲は、爆発力があって強いですね。正統進化して、さらにギアを上げてきたなと。「ライヴで絶対盛り上がるわ、これ」って思います。ど真ん中ストレートでどんどん伸びるところがかっこいい。ヨコハマは、大人の夜を感じさせるセクシーさでかっこいいですし、これもまた「やってくれたな! 」って思わせる曲なんですよね。シンジュクはなにげない日常みたいな、あったかい方向にいっててなんだか癒されますね。楽曲にいろんな面があるのも、そこがしっかりそれぞれのディビジョンの個性になっているという。これを聞いて、またファンの方の考察が進んでいくんじゃないかとワクワクしますね。
──今回のアルバムはライヴで見てみたい曲が満載ですね。
バトルを経て新しい曲も増えましたし。どんどん解釈も深まっているので、ライヴでは、また新しいものを表現していきたいですね。曲数もフルで全部やるってなったら何時間かかる?ってくらいすごく増えましたし。だから、今後は1回のライブで、セットリストも厳選されたものになると思うので、そのあたりも予想をしてもらうと楽しいと思います。
──ちなみに、岩崎さんが参加されている以外で、歌ってみたい楽曲はありますか?
そこはやっぱり、大好きなSOUL'd OUTのDiggy-MO'さんが書かれた、ナゴヤの波羅夷空却の楽曲“そうぎゃらんBAM”ですね。正直、羨ましいところもありますし(笑)。あ、でも、イケブクロの曲もええな…。とにかく、ヒプノシスマイクには、良い曲がいっぱいあるので、ぜひアルバムたくさん聴いてもらって、ライヴにも来てもらえると嬉しいですね。

編集 : 西田健
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