
京都のクラブ・シーンを代表するインディー・レーベルSecond Royal Recordsより、最新コンピレーション・アルバム『SECOND ROYAL VOL.6』がリリースされる! Halfby、Handsomeboy Technique、Satoru Onoなどの看板アーティストに加え、前作に引き続きTHE NEW HOUSE、Turntable Films、そして今作から登場のHOTEL MEXICOなど、才気あふれる若手バンドが多数参加。ジャンルレスに良質な音楽を発掘し続けるこのレーベルの鋭いアンテナに感嘆しつつ、全編通して流れるキャッチーなメロディ・ラインに心浮かされつつ、「セカロイ」の音にどっぷりと浸かってください。
SECOND ROYAL VOL.6
01. Small World (THE NEW HOUSE) 02. Collection Of You (Turntable Films)
03. Do you Do you HAIA (HOTEL MEXICO)
04. TEI (アナ)
05. Lost Presence (Handsomeboy Technique)
06. A Morning Dew (HALFBY)
07. Tide (Sainas)
08. Wake To A New Dawn (Satoru Ono)
09. I Think I Love You (Friends)
10. Love Comes Around (RUFUS)
11. Athletic Girl feat. PRINCE COCCI (Fredo)
12. Lovesick Blues Pt.2 (Alex's Short Edit) (Toss & Volley)
13. Time Base Of Love (ANARUSHIN)
14. Your Min (FELLA AND GOLF)
15. Too Young (Subtle Control)
16. Life Seasoning (Kate)
鋭敏な発掘精神と絶対的な目利きセンス
京都のインディー・レーベル、Second Royal Recordsがいよいよ全国的に脚光を浴び始めている。2000年の設立と同時に、今や確固たるポジションを築いたHalfbyを世に輩出。最近では英国・ロンドンのThe xxの来日公演でフロント・アクトを務めた京都発の6人組バンド、HOTEL MEXICOが躍進中。2010年のデビュー・アルバム『His Jewelled Letter Box』は限定店舗での発売にもかかわらず、海外メディアに取り上げられるなど逆輸入の盛り上がりを見せ、2011年3月に全国流通されることが決定した。
そんな注目レーベル「セカロイ」が第6弾となるコンピレーション・アルバム『SECOND ROYAL VOL.6』をリリースした。クラブ・シーン界隈ではもはや名物のこのシリーズはカジヒデキやCUBISMO GRAFICOといったアーティストからも支持されており、いわゆる音楽好きやインディ・マニアを納得させる抜群の品質が売り。アングラ・コンピが陥りがちな閉鎖性はなく、むしろポップでカジュアルな楽曲のオンパレード。全16アーティストが渾身の新曲で参加しているのも粋だ。

このコンピレーション・アルバムを聴き、まずは才気あふれる新人バンド勢に度肝を抜かれる。THE NEW HOUSE、Turntable Films、そして先述のHOTEL MEXICO。日本人離れした音楽センスにあっという間に心を奪われ、ワクワクが止まらない。そして福岡の3ピース・バンド、アナに続く。ライヴでの人気もキャリアも十分な彼らがセカロイに移籍して放つ初のナンバー「TEI」には、持ち味のポップ感以上に新たな決意や覚悟があった。現役大学生3人で構成される神戸のバンド、Friendsのノイズとリヴァーブの波から覗かせる軽快なメロディも素晴らしい。
クラブのカラーもきっちり押さえられている。レーベルの看板的存在であるHandsomeboy TechniqueやHalfbyらは高まるテンションを逃さないキラー・トラックをお届け。Satoru OnoやRUFUSはシンガー・ソングライターの枠にとどまらない、メロディ・メイカーとしての才能が光る歌を聴かせてくれる。ここに書き切れなかったアーティストを含め、とにかく思わず唸るナンバーが跡を絶たない。
いろいろな聴き方ができると思う。脈々と受け継がれるインディ・シーンの熱量を感じることもできるし、ミックスCDのように聴いても申し分ない。ロックとダンス・ミュージックの交差を絶妙に捉えてもいる。バンドにしろ、DJにしろ、逸材の発掘精神や目利きセンスは絶対的。曽我部恵一のROSE RECORDSに似た牙をこのレーベルは持っている。その鋭敏さを知るにはまさに打ってつけのコンピだ。(text by 田山雄士)
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高橋孝博によるソロ・ユニット。ヒップホップからブレイクビーツ、ジャズ、レゲエ、ギター・ポップまで様々なジャンルを、抜群のセンスでMIXしたファースト・アルバム。
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2009年、当時の平均年齢22歳の彼らが楽器を持ってわずか1年足らずで作り上げた、文字通りの初期衝動が詰まったデビュー作。2010年にはブラック・リップスの来日ツアーでフロント・アクトを務め、USツアーにも同行。
Second Royal Records