
2013/7/24~7/30の注目2作品をレビュー!!
今週もたくさんの新譜が入荷しました! 全部は聴いていられない! そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューとともにご紹介いたします。 音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をおたのしみください。あなたとすてきな音楽の出会いがありますよう。
Wienners『蒼天ディライト/ドリームビート』
Wienners / 蒼天ディライト/ドリームビート
【配信形式】
WAV
【価格】
WAV 単曲 250円 / まとめ購入 750円
2009年吉祥寺にて結成、ハードコアパンクをルーツとしながら奇想天外かつキャッチーなメロディーで多くの人々の関心を集め、アイドル・グループに楽曲提供するなど様々なカルチャーを巻き込んで話題を呼んでいるWienners。彼らがメジャー・デビュー作となる、両A面シングル「蒼天ディライト/ドリームビート」をリリースする。
1曲目「蒼天ディライト」は激しいギターにキーボードが絡み合い、次々と曲が展開し目まぐるしく景色を変える、彼ららしさが詰まった楽曲。全体的に高いテンションを保ちながら曲は進行していき、その中でも、聴いていてその瞬間から体に閃光が走るようなサビが圧倒的な存在感を放っている。2曲目の「ドリームビート」は、1曲目の感覚から一転して、シンプルなサウンドに。「歌手のくせに ロクに愛も歌えない自分を ぶっ壊して 蹴っ飛ばして 紡いで繋ぐよ 愛の言葉を」といったストレートで胸をうつ表現が随所に綴られており、これからのWiennersとしての決意表明とも受け取れる。雰囲気の異なる2曲であるが、それらに共通しているのは作詞・作曲を手がける玉屋2060%(Vo&Gu)が作るポップなメロディ。彼がでんぱ組.incに提供した2曲の楽曲がオリコン上位入りし、ライヴでの人気曲となっているように、Wiennersのポップさはより多くの人に通ずるものであると言える。これから彼らにはメジャー・シーンを登りつめていって欲しいし、それが可能だと信じずにはいられない。(text by 鶯巣大介)
DJ Rashad『I DON'T GIVE A FUCK EP』
DJ Rashad / I DON'T GIVE A FUCK EP
【配信形式】
WAV、mp3
【価格】
WAV 単曲 250円 / まとめ購入 1,000円
mp3 単曲 200円 / まとめ購入 800円
シーン黎明期から活動するシカゴ・フットワーク / ジュークの重鎮、DJラシャドの、Hyper Dubから2枚目のEP『I Don't Give A Fuck』が、発表された。前作『Rollin EP』同様ヨーロッパ・シーンでの需要を視野に入れたトラックが目立つ。
本作、1曲目「I Don't Give A Fuck」。日本語訳すると「あきらめへん」。ラシャドのFacebookの投稿の9割は、ぶっとくて長いジョイントを自慢げに吹かす自撮りなんかがメインなのだが、そんな呑気な彼も、ヨーロッパでのツアーやリリースを重ね、希望や自信が芽生えたのだろう。成り上がりの気概が感じられる曲名だ。
また、ラシャドの相棒、スピンとの競作「Brighter Dayz」はオールド・シカゴ・ファンにはなじみ深いネタ使いで始まり、正調ゲトー・ハウスかと思いきや、2人のヨーロッパ武者修行の成果か? ジャングル・ライクなホットパンツ使いが一瞬炸裂しています。前半ちょびっとだけですが。
個人的に推し曲は、DJ Mannyとの共作「Way I Feel」です。日本のフットワークDJの間では、こいつの名前がクレジットに書かれていたら必ず名曲になるというジンクスがあるんですよ。ダンサーとしても優秀で、YouTubeで検索したらMannyがせわしなく踊ってる姿が見れますよ。現在進行形で変化し続ける、産地直送音楽を所望される方はぜひ聞いてみて下さい。(text by 羽山豪)
三回転とひとひねり『回覧盤』
7月26日より配信開始!!
三回転とひとひねり / 回覧盤
【配信形式】
WAV、mp3
【価格】
WAV 単曲 200円 / まとめ購入 1,500円
mp3 単曲 200円 / まとめ購入 1,800円
サブカル、インディー・ポップ、ポエトリー(朗読)。この言葉のどれか1つでもピンっときたら是非このバンドを聴いてもらいたい。Fragmentの主催するレーベル「術の穴」が泉まくらの次に送り出す長崎の4人組バンド、"三回転とひとひねり"だ。
王道インディー・ギター・ロックから横道一つずれた、隙間産業ミュージックとでも言うのだろうか? インディー・ポップなバンド・サウンドに、名前の通りひとひねり、ポエトリーとアニメや漫画といったサブカルチャーを加えた新感覚な音楽だ。 絶妙なポップさとつぶやきの感、フワフワしすぎない浮遊感、タイトにキメるところはキメ、完璧なバランス感覚は彼女たちのセンスの良さを感じさせる。 とびきりポップなキラー・チューンM1「稲荷~三回転とひとひねりのテーマ」シンプルなギター・リフとクセになるメロディーが一度聴いたら耳から離れない。M8のヒゲドライバーによるRemixもポップな楽曲にファミコン・サウンドがばっちしハマっている。術の穴のコンピレーション・アルバム『HELLO!!! vol.4』にも収録された、M5「仮設5号機」はシンプルなバンド・サウンドにポエトリー・リーディング、そしてラストのエモーショナルな展開がグッと来る。タイトルも歌詞の内容もエヴァンゲリオンの内容というオタク臭全開の大胆な一曲。エヴァ好きは必聴だ。 三回転とひとひねりのデビュー盤「回覧盤」はサブカルでありながら、そのポップセンスと斬新さで、メインカルチャーをも巻き込んでしまいそう。これからの活動をドキドキしながら見守りたい。(txet by 吉野敬一郎)