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NEW MOON (2.8MHz dsd + mp3)
大貫妙子
1990年、小林武史のプロデュースで発表された14作目のアルバム。豊かなメロディとリズムが印象的な「CALL MY HEART」や「MY BRAVERY」など、まるでジブリ映画を見ているように心が躍るナンバーが多数。その一方で、9曲目「LITTLE HOPE」のように、悲しい恋の切なさをピアノとともに歌いきってしまうのだから驚かされる。どちらのタイプの楽曲にも共通するのは、少女のように素直な大貫妙子らしい歌詞だ。そんな本作の一番の盛り上がりは、終盤の「花・ひらく夢」だろう。優しい和風のメロディと、春を感じさせる歌詞に、静かな衝撃と感動が走る。たった1分48秒のこの曲は、ジャパニーズ・ポップス史上に残る名曲と言っても過言ではない。思わず静かに聴き流してしまいそうなアルバムの中に、大貫妙子らしい瑞々しい景色が多数隠された1作。
Bonus!

アフリカ動物パズル (2.8MHz dsd + mp3)
大貫妙子
大貫妙子が1985年にリリースした、きわめて実験性に溢れる1作。シティ・ポップスの先駆けとしての彼女をイメージして聴くと、誰もが面食らってしまうに違いない。ケニア旅行をもとに自身が綴ったエッセイ「神さまの目覚まし時計」をベースに作られた本作は、動物の鳴き声のみを収録した楽曲をはじめ、異色のインスト・ナンバーがその大半を占める。他方、数少ない非インスト・ナンバーにおいては、Vampire Weekendなど現代のインディ・ロックに通じるサウンドが展開されていて興味深い。 決して大貫妙子の王道とは言えないアルバムだが、彼女のキャリアを紐解くうえでのヒントが多く隠された、陰の名作と言えそうだ。
Bonus!